DAY 3


7/5(月)3日目。
雨は降っていないが晴でもない。昨晩の星空は何だったんだろう。テントを撤収してからインスタントラーメンを食べる。テントは6月の小本川の時に新調した山岳用のツェルトを今回も使用。ポールが2本必要でペグがないと自立しないという不便さはあるがこれ以上の携帯性に優れたものは他にない。寝具もシュラフは無しでシュラフシーツとシュラフカバーのみ。(前菜とデザートだけみたい。)これも2個で3シーズンシュラフの1/3位の大きさ。開運橋ではカバーは必要なかった。

岩泉駅でトイレを借りてから出発。さて、出艇場所を探すのだ。6月の時は駅前の橋から出発したが今回は借り物のファルトカナディアンもあるし水量の安定した場所から出発したい。とりあえず鼠入川合流手前の橋あたりを予定して場所を探す。役場前の道を勘を頼りに川方向に行くが行き止まりになった。JRバスの岩泉営業所横に道を発見。今度は川に降りていけそうだ。川地図101に記載されている発電所下の右カーブで岩がある場所が見えた。前回パロちゃんが沈してしまった不覚の場所だ。ちょうど車をとめるスペースもあり、河原にも降りられるし、ここからだと右カーブの岩直下から出発できる。

パイドラとアリーを屋根から下ろし、キャンペットとパロミータは河原で組み立てる。スプレースカートを忘れて来てしまったぽからさんはエアマットをバウにくくりつけている。波避け効果は期待できそう。


出発地わきに立つハウスさん。APPONさんはわざわざ上流にまわってこの瀬をクリアする。


ぽからのキャンペットはエアマットで蓋。やわなスプレーカバーより波よけになる。

出発は7:30だった。
昨日までの北上川とは全然違う。すぐに瀬の中だ。落差もある。岩もある。でも6月に来た時よりも水量は多いのでボトムをこする回数は少ない。右に岸壁が見えて来た。次から次へと落差のある瀬が続き、岩もあるのでスリル満点。なんとかクリアできてエディに入るとAPPONさんが泳いでいた。なにかの拍子で沈して頭を岩で打ったそうだ。ヘルメット被ってたからよかったものの無かったら大変だったかもしれない。ファルト男どもは全員ノーヘルなので更に気を引き締めて再出発。すぐに鼠入川合流手前の橋をくぐる。このあたりも出艇できそうな場所が何カ所あった。


流れをくだる。けっこう瀬があり。


景色は絶景!!

水は澄み渡ってて水温も低い。いくつかの瀬を過ぎると吊り橋の場所まで来た。このあたりから中流部。残念ながら日差しはないが緑の中をキラキラ流れて行くといった感じだ。この雰囲気大好き。

女神橋手前の左岸で休憩。犬の散歩をしている人がいる。この犬はどうもパロミータが気に入ったみたいでしきりにじゃれついてきた。
女神橋を過ぎて大きく右にカーブしたあとで左カーブ。6月にキャンプした河原だ。あのときの焚き火も良かったなぁと思い出しながら更に下る。
右岸に砂利工場の音がする。適当なウェーブがあるところで休憩。ぽからさんがパイドラを借りてサーフィンに挑戦するがキャンペットとは勝手が違い過ぎて難儀していた。

いい風景のなかをくだっていく。

上陸予定地点は昨晩下見した道の駅付近。運動公園が併設してあり橋があるのでわかるはずだ。先行したAPPONさんが橋手前左岸に上陸した。でもどうも雰囲気が違う。川地図も5万図もないので正確な位置はわからないが橋が違うのでAPPONさんに声をかける。「ここじゃないよ〜。もうちょっと先みたい〜。」
1km位下で上陸。岸から上がった場所が駐車場になっているベストポジション。後でわかったが道の駅の隣にある畜産市場だった。
8km程を2時間くらいで遊びながら下った。ショートツーリングだが小本川のおもしろいところを下ったことになる。夕方まであれば海まで行けるねぇなんて話しながら撤収にとりかかる。

私は手早く着替えをすませた後、パロミータの解体はぽからさんに任せて回送に出かける。道の駅で電話を借りてタクシーで戻る予定だったが売店の人にバス停を聞くとすぐ近くだという。行ってみるとあと10分で10:20の岩泉行きがやってくる。ラッキー。バスを待っている間、道の駅で買ったソフトクリームを一人で食べた。ちなみにこの便を逃すと次は12:02だった。
バスは岩泉駅まで行くが、途中、龍泉洞に立ち寄る。完全に寄り道になるが仕方ないねえ、このあたりの観光の目玉だし。でもその寄り道のおかげで龍泉洞温泉ホテル前で「日帰り入浴出来ます」の看板発見。
岩泉営業所でバスを降りて出発地点のデリカの位置まで10分ほど歩く。車をとめた場所の近くにホルスタインがいて草をはんでいたのにはビックリした。

ファルトは3艇とも解体して荷室に納めると屋根にはパイドラだけとなった。
APPONさんは夕方に花巻空港から北海道に渡る。IPPONさんは夕方までに仙台のホテルにチェックインの予定。まだお昼前だしまずは温泉に行きましょう。
月曜日お昼の温泉ホテルはがらがらだった。価値ある\500を払いのんびり湯に浸かる。風呂上がりのIPPONさんはYシャツに革靴スタイルだった。
ホテルの女将にお奨めの昼食場所と名物「水饅頭」を売ってる店を教えてもらい龍泉洞前のレストランへ行く。行ってみると立派なイタリアンレストランだった。パスタ料理に舌づつみを打ち、再び幸せな気分。よく考えると北上川リバーツーリングのはずなのに焼き肉、ウニご飯と続いて食べ歩き旅行のような気もする。いや、北上も58km漕いでるし、小本川もいちばん美味しいところを下ってる。川も食事も最高の岩手2川ツーリングだった。


かにさんがこっちを向いたパスタ。デザート付き。1650円だったかな。

龍泉洞の水で作ったという「水饅頭」は夏期限定生産で6月に来た時に嫁さんから買ってきてくれとせがまれていたがキャンプツーリングの出発地点でそんな物は買えなかった。今回は北上の予定が小本まで来てしまったのでこのお土産を持って帰らないと家には上がらせてもらえそうにない。大切な水饅頭をバッグに入れたあとはひたすら盛岡、花巻を目指して走った。IPPONさん運転ご苦労様でした。
盛岡手前の山間部では土砂降りの雨だったが花巻付近の道路は乾いている。空港でマイパドルを手にしたAPPONさんを見送ったあとに残ったのは明日から仕事に戻らなければならない男どもであった。更に新花巻駅でアタッシュケースを持ったIPPONさんを降ろした後は3人だけとなった。東北道に乗ったのが17:30で主のいないIPPONさん宅についたのが23:30頃だった。パイドラと何個かの荷物を降ろしてから3人は埼玉、神奈川、千葉へと分かれて行った。